萬葉集は雄略天皇の御製で始まる。その雄略天皇が宮を構えたのは泊瀬朝倉宮。諸説あるが、私の住む桜井市内にその地はあったこと疑いはない。近年の発掘の成果によれば桜井市脇本の辺りが最有力といったところかと思う。あえて保田與重郎の言葉を借りるならば「萬葉集發燿」の地と言える。そんな桜井市であるから萬葉集で読み込まれた地名が少なくはない。桜井市に住む一人としてそれらを一覧できるようにしてみるのも一興と思う。
しかしながら、こんな仕事は多くの人が既に手掛けていることであって、例えば…
犬養孝著の「万葉の旅・上」(平凡社ライブラリー)
|
は古くから多くに知られているし、例えば
奈良女子大学「山辺の道関連万葉歌」
は、私もいつも楽しく読ませてもらっている。どちらも、今回の企画にあっても大いに参考にしている。
さらには近年
|
なんてのも出版されて、それ以外にもこの種の出版物は枚挙にいとまがない。だから、それらがあれば、何も私ごときがこのようなものを作らずとも・・・と思わないでもないが、なあに乗りかかった船だ(笑)。
※萬葉歌の引用にあたっては塙書房萬葉集CD ROM版を基本にしていますが、たまあに私が考えて改めたところがあります。萬葉歌の口語訳は、手元の注釈書を見比べて、私がしっくり来たものを採用しました。ですから、あんまりご信頼になられぬようお願いします。