先週のお話である。
やっとこさ涼しくなってきた大和はお散歩の季節。
明日はお彼岸の中日だというのに、彼岸花はまだまだの気配であった。写真を撮ってから、5日たった今日も…もう一歩ということで、まだその盛りではない。
去年もそう思ったのだが、ここ数年彼岸花の盛りが遅くなっているような気がしてならない。夏の暑さの加減かなあ…と思ってみたり、いや彼岸花の開花は日照の加減だったかしら…なんて思ってみたりであるが、先日の薄氷堂さんのブログを拝見した折、その理由はともかく、彼岸花の開花が遅くなっているのは確かだと確認した。薄氷堂さんの記事の冒頭の面妖なお写真は、かつて薄氷堂さんが大和に来られた折、一緒に訪ねた天理参考館の展示物。ご親切に、その下に2014年9月23日と日付が記されている。
この日はそのまま天理市内で昼食をとった後、明日香に向かったのだが、そのとき明日香の彼岸花たちはその盛りを過ぎ、やや萎びかけていた記憶がある。それに、あの日はちょいと暑かったな…なんて記憶も蘇る。
さあて、山辺の道上の平等寺へと向かう坂道をもうちょい上って振り返るとお気に入りの景色である。
大和三山の背後に金剛・葛城城が見える。
大神神社。
手前の手水鉢の水は止められ、代わりに消毒用のアルコールのボトルが置いてある。情緒がないも甚だしいさまで、写真を撮る気もしなかったが、これもまたご時勢、逆らうわけにもいかず、両の手にアルコールをシュッとして手を清め、神前に向かう。
コロナ退散
今はもうこれしかない。大神神社の御祭神は大物主大神
この天皇の御世に、疫病多に起こりて、人民死にて尽きむとしき。ここに天皇愁ひ歎きたまひて神牀に坐しし夜、大物主大神、御夢に顕はれて曰りたまひしく、
「こは我が御心ぞ。故、意富多多泥古をもちて、我が御前を祭らしめたまはば、神の気起こらず、国安らかに平らぎなむ。」とのりたまひき。
古事記・下
大物主大神と言えばこの話。
大物主大神がどこぞの貴い方の夢にでも現れ、何らかの方策をお示しにならないかと思いつつ、「意富多多泥古」さんの祀られた若宮さんへと向かう。当然ここでも「意富多多泥古」さんに向かって、大物主大神によろしくとりなしてくれるようお願いする。
そして、これもまた…..私のお気に入りの景色。
若宮さんの拝んだ後、振り返って見える景色である。
私の好きな街並みが、そこにはある。そして、二の鳥居の前を過ぎて我が家へと向かう。この間、およそ30分。軽い散歩といったところか…….
去年出来たばかりの大神神社能楽堂である。こけら落としはもうすでに住んではいるが……こんなご時世である。十分にその機能をはたしていない。
コメント
もう六年もたってしまったんですねえ。たしかにあの日はちょっと暑かったけれど、上天気でしたね。景色もよかったし。
> 消毒用のアルコールのボトルが置いてある
ぼくの記憶ではお酒のボトルと卵が置かれていたような…… あれも消毒用?
薄氷堂さんへ
もう6年ですかあ…2,3年の感覚なんですがねえ。
どうりで都市が行くはずです。なんてたって、還暦になっちゃいましたからねえ。
>お酒のボトルと卵が置かれて
あれは神様のお楽しみ用。ゆで卵をあてに一杯召し上がるんですよ。