昨日は出張で、奈良市六条、耳になじんだ言葉を使えば西ノ京の地に出かけた。久しぶりのことである。しかも、出張先には駐車場がわずかしかなく、公共の交通機関にて来られたし…ということなので、JRと近鉄を乗り継いで西ノ京駅に降り立った。近くにあるの薬師寺とか唐招提寺にお参りするときにはいつも車を使っているので、こうやってこの駅で降りるのは…かれこれ30年以上も前のことになる。
駅を出ると、道は東西に延びており、東は100mもいかないところに薬師寺がある。西はすぐに道は南に折れ、そこから出張先へは100mちょっとで再び西へと折れる…のだが、今日はちょっと寄り道。
そこでは曲がらずに、少しだけ南にまっすぐ行った。
こんな景色が見えるだろうことが予想されたからである。
思った通りの構図になった。むろん映り加減の良し悪しは別問題である。この近辺の人は毎日このような有難~い風景を拝みながら生活しているのかと思うと少々うらやましくもあった。
そして、出張先での用務は11時過ぎには終わった。ここから春日野へ移動である。これもまた業務ではあるのだが、14時前には春日野にたどり着かなければならない。同じ市内ではあるし、距離としては大したものではない。
が…事情を知っている方ならばご存じだろうが、これが結構大変なのである。
まず、この午前中の出張先から駅までは30分近く歩かねばならない。そして近鉄に乗って西大寺の駅で乗り換え、奈良駅。そんでもって春日野まではやはり30分前後歩かねばならない。その間に昼食も取らなければ…
ちょいと忙しいなと思っていると、ふと思い出したことがあった。
もう40年近くも前のことであるが、この出張先に来ることあった時、近くのバス停から春日大社前までのバスが出ていたことを思い出したのである。まだ、その路線が残っているのかとさっそくググってみる。
まだ、残っている。しかも1時間に2本も…
これは利用しない手はない。そして私はバスの中の人となる。
目的地は終点の春日大社前でよいのだが、この終点付近には昼食の取れるような場所はない。途中、JRの奈良駅でいったんバスから降りる。やよい軒で生姜焼き定食を食べていると、職場の上司が声をかけてきた。聴けば上司もこの近くへの出張があるのだという。
そして春日野。
目的地はここである。宮司からの直々のお話を聞いた後、春日大社の方からのご説明を受けながら境内を回る。お話のおおむねは、
その中で一つだけ私のほうから…
これはご説明をしてくださった方も「そんなふうに言われています。」ぐらいの言い方だったので、事実であるのかどうかは別として…
かつて、春日大社に奉仕する禰宜は300人を越えていた。そんでもって、3000ほどあるこのお社の灯篭には毎日灯りがともされていたそうである。菜種油によって灯りがともされれば当然たくさんの煤が出る。奈良が墨の名産地となったのはここに由来があるのだ…
とあまり自信のないような、けれどもそうであってほしいような口ぶりであった。
コメント
奈良墨の起源、きっとそうです。←無責任。(^_^;
でも、説得力があります。
源さんへ
私もほぼ同感です。
でも、こんなふうに言われているのが多いようです。
でも、http://www.sumi-nara.or.jp/sumi_history.html
とあるのが正解なんでしょうね。
ご説明くださった方もそれを知ったうえで、こんな話がありますよって感じでしたから。