石山寺へ行く…

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石山寺へはいつか行ってみたいと思っていた。

長年、大和の国に暮らしているのだから、いつだって行けたはずなんだが、いつだって行ける距離にある気安さにため、これまで行かずじまいになっている…私にとって数々存在するそんな場所の一つで…石山寺はある。

大本山石山寺(滋賀県大津市)は奈良時代創建の安産・福徳・厄除・縁結に霊験あらたかな観音霊場として信仰を集めるお寺。西国三十三所第13番札所、紫式部が源氏物語を起筆した寺、また花の寺としても知られています。HPでは観光情報も案内しております。
紫式部を主人公とする今年の大河ドラマが始まって、今年こそその思いを遂げねばならぬと思っていた。妻もこのドラマの影響で石山寺は少々気にかかっているようである。ちょいと行ってみようか…なんてことを互いに言い合っていた…が、ドラマが始まってもうすでに半年を過ぎた7月に入ってもまだ行かぬままであった。

それが…この月曜日のことである。朝食後、妻が突然、石山寺までどのぐらいかかるかと聞いてきた。車で1時間半はかからないだろうなと私は答える。すると妻は、「じゃあ、今日一日の予定を考えて。」といった。

こうして、私は石山寺へと行くことになった。

前日の「光る君へ」の筋書きが石山寺への妻のその思いを一層強くするに違いない内容であったらしい。大河ドラマをご覧になっていらっしゃらない方のために簡単にその筋書きを申し上げると…かつて長いこと思い合っていた主人公たる紫式部と、もう一人の主人公でもある藤原道長が石山寺において数年ぶりの再会をし、一夜限りの逢瀬を果たし、子を授かる…というものである。道長と紫式部が思い合っていたなんていうと、「???」となる方もいらっしゃるに違いないが、それはドラマの中のこと、史的事実に深く入りこまずにその物語の構成を素直に味わえば良い。

ともあれ、私には一見突然にも見える妻のこの決断をあらかじめ予想できていたので、そんなに急なものだとは思わなかった。

9時半ごろ家に出れば、11時には目的地に着く。石山寺での滞在を、近辺での昼食を考えて3時間と考えれば、2時には家に向かって出発できる。途中、晩御飯の買い物をしたとしても十分な余裕をもって帰ることができる。

てなことで、家を出たのは9時半のちょっと前。予定通りである。車に備え付けのナビも私の予想した到着時間と同じ時刻を示している。京奈和自動車道、京滋バイパスを経て瀬田川のほとりに出る。川沿いに少し遡れば目的地だ。

そして到着はほぼ予定通りであった…

しかし、げにも恐ろしきは、大河ドラマの影響。昨日の道長と紫式部の逢瀬に心惹かれ、石山寺に行ってみたいと思ったのは我が人生の同行者この言い方は…たしか、小田実だったかな?だけではなかったのだ。石山寺の駐車場は満車どころではなく、そこに入るための長々とした行列までできていた。

ここに並んでいては、車を止められるのはいつになるかわからない。他にも駐車場を探すが、目に入ってくるのは近辺のレストランや土産物屋、そして旅館などの駐車場だけである。そしてそのどれもこれもが満車状態。

そうこうしているうちに、時刻は昼食の時間と相成った。駐車場を求めて車でウロウロしても仕方がないので、どこかで食事をしながらどこかに車を止めるための対策を考えることにした。

京阪瀬田唐橋店に入った私達は近辺の駐車場をスマホで探し始めた。そして考えついた最良の策は、ココスからちょいと北にゆくと京阪石山、JR石山の駅があり、その周辺ならばかなりの数の駐車場がある。そのどれかに車を止めて、京阪電車で一駅、石山寺駅まで行って、そこから石山寺まで歩くというものだった。

しかし、天気予報では午後からは、ちょいと先の時間帯ではあるが雨が振り始めるという。それも結構強めの雨が…あまり天気のことを考えずやってきたので私達は傘を持ってはいなかった。参拝途中に降ってこられたら万事休すである。

逡巡すること暫し…石山寺は諦めることにした。

片道一時間半ほどの時間を費やし、少なくはない自動車道をの料金を支払ってまでやってきた石山寺ではあるが、この日石山寺は諦めることにして、少々長いドライブをしにこの地までやってきたと思うことにした。

間もなく、平日であっても休みを取りやすい時期が来る。そんな日に行けば、今日のような状態は少々緩和されるであろう。そんな日にもう一度挑戦してみようと心に期して私達は帰途についた。

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コメント

  1. 中川聡@やたナビ より:

    石山寺の駐車場ってかなり広いんですよね。
    さすが大河ドラマです。今年は行かないほうがいいかもしれませんね。
    実は僕も行ったことがありません。
    何十年前だかに門の前までは行ったんですが、すでに閉まっていて入れませんでした。門前の店で鮒ずし買って帰った記憶があります。

    • sanpendo より:

      中川聡@やたナビさんへ

      はい、さすが大河です。
      大昔、「樅ノ木は残った」があったときのことを思い出しました。
      今ほど大河で観光客が…て時代ではなかったんでしょうが、それでもアチラコチラに案内板が経って、それを見るだけで結構勉強になるものでした。
      ちなみに、我が家のそばにはかの片倉小十郎のご子孫がおられ、なにか気恥ずかしいような感じでいらっしゃいました。