下の写真は、大神神社近くの展望台から南東方向を写したものである。耳成山・畝傍山・天の香久山…いわゆる大和三山の向こうに結構高い山が見えている。2つの頂きを確認できると思うが、その左側が金剛山、右側が葛城山である。
「葛城」は「カツラギ」と読むのが普通であるが、古代においては「カヅラキ」と読み、「葛木」と書くこともあった。 語義から考えれば、あるいは「カヅラキ」のほうが正しいのかも知れない。今はその南方にある金剛山と区別して考えることが多いが、いにしえの人々にとって、この二つの山をあわせて葛城の山であった。そしてその東麓を縫うように走るのが、これから語ってゆく葛城古道だ。
大和盆地東端の山辺の道は初めから公の意図を持って作られた人工の道であるが、この古道には、寡聞にしてそんな話は聞いたことがない。どうやら人が歩くことにより生じた自然道であったらしい。 道があったから人がそこを歩き始めたのではなく、そこを歩く必要があったからそこに道が出来た… 葛城古道はそんな道だ。
前回この道について書いたときに私は以下の場所について書いた。写真は一切なしである。理由は…ブログに写真を形成する方法を知らなかったからとデジタルカメラを持っていなかったからである。しかも実際にその場所を歩くことなく地図を見ながらネット上の情報を頼りに書いた。全く持って無謀な話ではあるが、それでどこまでできるか試してみたい気持ちがあった。
鴨都波神社ー祟道神社ー鴨山口神社ー九品寺ー一言主神社ー極楽寺ー高天の里ー高天彦神社ー高鴨神社ー風の森
近鉄御所駅を降りて終着まで山沿いの道を歩けばこんな感じだろうなと選んだ社寺ばかりである。今回、再びこの道について書くに当たってちょいといくつかのガイドを見てみると、おおよそ次のような場所が挙げられていた。
六地蔵石仏ー九品寺ー高丘宮跡の碑ー葛城一言主神社ー極楽寺ー橋本院ー高天彦神社ー高鴨神社ー鴨神そば(そば小舎)ー風の森
ちょいと違いある。理由は一般的なガイドが近鉄御所駅から葛城山をいくらか登った場所結構な標高差であるにある猿目橋のバス停を起点に風の森のバス停を目指しているのに対して、私は御所駅を起点として書いたことにある。
鴨都波神社・祟道神社・鴨山口神社は、その御所駅の近くや、猿目橋への途中にあった神社で、いずれも捨てがたいお社ではあるが特に鴨都波神社は是非一度訪れて見たいと思っている今回は、一般的なガイドに従って書いてゆこうと思うので、今回は触れない。
前回、どの場所も訪れることなくこの道について書いてから、幸いにもそのうちの数カ所は訪ねる機会を得た。九品寺・葛城一言主神社・高天彦神社・高鴨神社だ。だから、まずはこのあたりから順に書いてゆきたいと思う。まだ訪ねてはいない、六地蔵石仏・高丘宮跡・極楽寺・橋本院はそのうち訪ねる機会を設けてから書いてゆこうと思っているいつのことになるんだろうね。
てなことで、風の森のバス停で今降りたことにして、北へ歩みを進めていこう。まず目指すのは高鴨神社である。